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ある調べによると、中小企業経営者の悩みは「売上拡大」「コストカット」「資金繰り」「従業員の採用・育成」と、ほぼお金に関することでした。
どんな会社にも当てはまる経営課題であり、多くの経営者が抱えている課題ではないでしょうか?
ではこの「お金」に関する悩みをどうすれば解決できるのでしょうか?
今回は、すぐに売上増を実現できる最も効果的な方法「値上げ」について説明していきます。
値上げの実施
値上げはコストを掛けず、すぐに実行できて、そしてすぐに売上増できる最も効果的な方法です。しかし、いきなり値上げなんて簡単にできるわけないと、はじめから思っていませんか?
経営者として、会社の成長、利益率を上げることを真剣に考える必要があります。
実際、5%の値上げをするでけ、会社の利益をどれだけ増えるのか検討したことがありますか?検討をしていないというであれば大きな問題です。
例えば、売上1億円で利益率が10%の製造業者の年間利益は1000万円です。この会社が5%の値上げを実施できたら、売上は1億500万になります。総費用が売上1億円のときとほぼ同じ9000万円だとすると、利益は1500万円と増加します。
この業者が今まで100万の見積書と請求書を出していたとします。そして今回、人件費や仕入れコストの増加(小麦、鶏肉、ガソリン価格の高騰など)や半導体不足、アルミ価格の上昇などの要因もあります。最近では円安傾向です。
それに伴い、次回から105万に値上げするのは問題はありません。物価の上昇強くなっている今なら十分妥当な値上げです。
私の好きなラーメン店では、小麦の価格上昇に伴い、昨年11月からラーメン一杯の値段を50円引き上げました。多分小麦の価格が下落しても値下げはしないでしょう。ニュースで小麦価格が上がっていると報じられ、お客様は納得している部分もありますが、実際はそれでもお客が来てくれると分かったからです。
既存同じように新規顧客を含めた他の取引先にも5%の値上げを実施できれば、会社の経営は劇的に良くなるでしょう。
この場合の一番の悩みは、「値上げすると注文が減る。そして売上も減るのでは?」「値上げの話をするとお客様から反発されるかもしれない」という何となくの不安、抵抗感を持っている経営者自身や社員の心持ちではないでしょうか?
値上げを成功させるポイントは「うちの商品やサービスなら何%の値上げは可能だ」という意識を共有できるかどうかです。
そのためには、最近の市場状況や直近3期分の損益計算書(P/L)の状況を分析して、自分の会社はどれくらい値上げができるのかきちんと数字で把握することです。
そして、その計算に基づいた具体的な数字を示しながら、関係社員に値上げの意図と目的、その効果を理解してもらうこと何よりも大切です。
売上を上げて利益が増えればどういうメリットがあるのか、まず役員やマネージャーに共有し、次に値上げを実施までに必要ならことをリスト(タスク)にして、スケジュール化しましょう。
どこから値上げすべきか?
まず、商品にランキングを付けましょう。
例えば、商品A:売れている、商品B:普通、商品C:あまり売れていないとします。
その場合、商品Cを値上げ→商品Bを値上げ、最終的に商品Aを値上げします。少しずつ値上げながら、顧客の反応を見ます。
まずはすぐ5~10%以上値上げします。最初はあまり売れていない商品や、値段はまだ低い商品から実施していきしょう。
最終的に残った20%商品(メイン商品)をゆっくり値上げします。これはパレートの法則と呼ばれるもので、売上の80%は20%の商品にあるというものです。
値上げ時の注意点
- 競合の価格調査を行いましょう。
- 新顧客が気づかないようにします。値上げする時はお知らせする必要はありません。知らせてしまったら、客離れとなってしまいます。お客様から言われたら、理由を説明し、ベネフィットに焦点を当てます。
- 商品やバージョンアップや新シリーズや新パッケージ等により値上げを考えましょう。
- 新販売チャンネルの開拓時に値上げを考えましょう。
やるべきタスク
- 直近3期分のP/L(損益計算書)を分析する
- タスクに関連する社員に値上げの意図を伝え、理解を得る
- 〇%の値上げを実施する
- 月次決算し、 P/L(損益計算書)への影響を測定する