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個人事業主・中小企業の支援の現場に携わり、WEB活用に関する現状と問題点が分かっています。
では、実際にどのような状態にあるのかWEB活用の動向と問題点を解説していきたいと思います。
中小企業WEB活用の動向
中小企業WEB活用の動向と問題点
総務省「平成28年通信利用動向調査」によると平成28年9月末時点で企業の87.8%がホームページを開設しています。
中小企業白書によると小規模事業者の50%以上、中規模企業の80%以上が開設しています。
ホームページを開発・活用の目的は、営業力・販売力の強化が52.9%と一番高く、続いて、売上の拡大が40.4%、新規顧客・新規市場開拓が37.8%の順となっています。
中小企業WEB活用の動向
この図より、集客施策の利用媒体として半数以上が「インターネット」を利用し、集客施策の目的は「売上向上」であることが分かります。
中小企業WEB活用の問題点
中小企業WEB活用の動向と問題点
2015年と5年前の少し古い資料ではあるが、ホームページの有効性を感じていない割合は48.6%、新規受注獲得頻度が「ほとんどない、ない」の割合は64.3%となっています。
実際に個人事業主・中小企業の方々との個別相談などを実施して、話を聞く限り、2020年の今となっても現状は何ら変わってないと感じていています。
WEB活用で目的を果たせていない中小企業が抱える問題
WEB活用で目的を果たせていない中小企業が抱える問題として、以下の5つが考えられます。
- 望む成果が得られない
- 継続的なコスト負担が大きい
- 社内にIT(WEB)に関する知識・人材が乏しい
- 本業が忙しくWEBに取り組む時間が取れない
- 適切なアドバイザーや業者がいない(選べない)
要するにノウハウ(正しい情報)の欠如、人材の欠如、資金力の欠如であることが分かります。「人」「情報」「金」であるとことが・・・
中小企業において、これらの問題解決を行うには、投資が必要となり本業を圧迫するリスクを警戒し、対応が後手になっているのが現状です。
まとめ
上記にも記述したが、ホームページの有効性を感じていない割合は48.6%、新規受注獲得頻度が「ほとんどない、ない」の割合は64.3%であります。
結局のところ、周りがホームページを作り始めたといって、業者に依頼し、自社でもホームページを作ったものの思うような成果が上げられなかったのです。
原因の一因として考えられるのが「問題解決型」のホームぺージになっていなかったと考えられます。
作成されたホームページはここでは「自己紹介型(パンフレット型)」と呼ぶが、会社情報だけが載っているホームページだったと考えられる。そのようなホームページでは問合わせは来ず、資料請求もなく、もちろん売上向上に貢献しないのは当然であると考えます。
「問題解決型」のホームぺージ作成に至るには、実際以下のようなプロセスを踏んでいきます。
【コンセプト設計】
- WEBサイトの目的の明確化(例:具体的な数字を含み、売上20%増加や20%のコストの削減など)
- ターゲットユーザーの設定
- キーワード選定
- 競合分析で「自社の強み」を明確する
- 「強み」を言語化。つまり数値化を含めたキャッチコピーを考える
【コンテンツ設計】
- 性別、年齢、職業、趣味、家族構成などを含むペルソナ(架空の人物)を設定する。実際に自社の商品・サービスを購入している人がいる場合は、購入者を分析し、ペルソナを設定する。架空の人物だとこんな人買ってくれるだろうと自分の想いが反映されてしまう傾向があるの注意が必要である。
- ペルソナが抱くであろうニーズを想定
- ニーズに対する解消策=コンテンツを考え
- 実際に制作を行うコンテンツとして具現化する
詳細は省きますが、このようなプロセスを経て、サイトマップやワイヤーフレームを作成し、落とし込んで制作されたホームページですが最初の一歩に過ぎません。その後のコンテンツ充実も欠かせません。
このように制作されたホームページですが、もし定めたゴールに達しなかった場合には、どこに問題があるのかを突き止めなくてはなりません。例えば、アクセス解析などを通じて、仮説を立て、実施し、検証し、改善していく必要があります。それでも改善しなかったら、これを繰り返し、ホームページをより良いものに進化させることが何より重要である考えます。